司法書士法人つばさ事務所

TSUBASA SHIHOU-SYOSHI  LAWYER

 
コラム

事業承継(公正証書遺言2) 2011/2/01

 

事業承継(公正証書遺言2)

質問

 前回、公正証書遺言の作成方法や効果について拝見しました。公正証書遺言は、他の遺言に比べてどこが優れているのでしょうか?具体的に教えてください。

 

回答

 公正証書遺言とは、公証人が依頼者の意思に沿って作成する遺言のことです。公証人とは、法務大臣が任命する法律の専門家です。裁判官や検察官、法務局長経験者の方が多いようです。

 公正証書遺言の優れている点としては、まず、法律の専門家が作成するので法的に有効な遺言書がつくられるという事です。自分で書く遺言(自筆証書遺言)の場合には、書く内容や書き方が法的に有効でない場合が見受けられます。その場合には、せっかく書いた遺言によって預貯金や不動産の名義替えを行うことができません。遺言がない場合と同じように相続人全員の遺産分割協議によって遺産の分配を決めなければなりません。これに対して、公正証書遺言の場合には、法的に無効という可能性は低いので、遺言の内容どおりに手続きが進むこととなります。財産を引き受ける相続人としては、他の相続人の協力を得ることなく財産を自分のものにする手続きを行うことができるので非常に負担が小さくて済みます。

 また、公正証書遺言は、手続きをスピーディーに行うことができます。公正証書遺言以外の遺言の場合には、遺言を残した人が亡くなると遺言書を裁判所に提出して「検認」という手続きをしなければなりません。この手続きに通常1ヶ月以上の期間を要しますが、公正証書遺言の場合には、検認手続きを行う必要がなく、直ちに名義変更などの相続手続きを行うことができます。事業経営者の相続の場合には、代表者の選任・預貯金や不動産の名義替え等スピードを要求されることがありますが、公正証書遺言はその要求に最も応えることができる遺言です。

 遺言を残すことをお考えでしたら、上記のような公正証書遺言の利点をふまえて検討されることをおすすめします。

会津嶺平成23年1月